IOTAの魅力と楽しみ方
JA4GXS 佐々木研己
・電⼦照合を利⽤した「IOTA申請」までの流れ
・申請者クレジット率(少ない順)
はこちらのPDFから参照願います。
(2022.11.14本文中に一部誤記がありましたので差し替えました)
以下、当日配布の資料をレイアウトし直したものです。
IOTA の魅力と楽しみ方
“CQ CQ DE JA4GXS/4 AS117 K”
JA4GXS / SASAKI
IOTA の魅⼒と楽しみ⽅
2022 年8 ⽉ IOTA CP JA
IOTA って、どういうアワード︖
最近はサンスポットナンバーが100 を越える⽇が多くなり、サイクル25 の始まりを感じさせますが、まだまだFT8 でしか開けない時間帯がある中で⼊感するDX で、普通のDXCC エンティティにもかかわらずパイルアップになっている局を聞いたことがありませんか︖ これはIOTA(アイオータ)と呼ばれる、全世界に存在する島から運⽤するIOTA ペディショナーと、それを呼ぶIOTA チェイサーの信号です。 IOTA とはIslands On The Air の略で、1964 年に英国のSWL ジェフ・ワッツ⽒によって考案され、1985 年以降英国のアマチュア無線連盟のRSGBが引き継ぎ、2016 年よりIOTA Ltd.という⾮営利団体がSGB 協賛を受けて運営しています。 IOTA プログラムを楽しんでいる局は全世界では約1600 局、⽇本では約270 局が参加しています。 最近は、DXCC を全て交信し終わった局が新たな⽬標としてIOTA プログラムに参加されています。
DXCC との⼤きな違い
DXCC では国を基本として異なるエンティティを⼤陸に関係なく100 以上交信する事でアワードが申請出来ますが、 IOTA では7 ⼤陸(通常の6 ⼤陸+南極)の最低1島を含む異なる100 島以上と交信しQSL カードを得る事で申請出来ますが、アワード取得は必須ではありません。 DXCC では基本アワード以降はステッカーですが、IOTA では100 単位で1100 までのアワードと地域(7 ⼤陸+英国沿岸、北極圏、南極圏、WorldWide)アワードが発⾏されます。 さらに750 以上の島のクレジットを得る事でIOTA-750 楯が、1000 以上の島のクレジットを得る事でIOTA-1000 トロフィーが取得出来ます。 DXCC のエンティティは現在340 ありますが、IOTA ではリストアップされている島のグループ数は約1200 にものぼります。 DXCC で⽇本は本⼟、⼩笠原、南⿃島の3 エンティティですが、IOTA では未運⽤の尖閣列島を含め総数28 ものクレジットが設定されています。IOTA の特徴として、⾃⾝が運⽤した島は、⾃分のクレジット数に加算出来る事がDXCC とは⼤きく異なる点で、みなさんがお住まいの近くにある島などもハンティングとは別にサービスする⽴場にも簡単になれて、⾃⾝のクレジット数を増やす事も可能です。 IOTA では、DXCC のオナーロールに相当するものとして、現時点(2022 年7 ⽉1⽇)で運⽤のあった島の総数1136 の半分568 以上と交信する事でオナーロールにリストアップされます。DXCC では、バンド毎のエンティティ数を加算して1,000 エンティティ以上でCHALLENGE 楯が取得出来ますがIOTA はいずれかのバンド・モードに関係なく1 交信すればよく、この事は出来るだけ多くのチェイサーに交信の機会を与えるために複数のバンドでの交信をIOTA としては推奨していません。 しかし、DXCC のレアエンティティがIOTA のレアな島になる事もあり、なかなか守られていないのが現実の様です。 ⼜、50MHz 以上のバンドのみでIOTA の島と交信する事で、「IOTA-V/UHF アワード」が取得可能で、いずれかの5 ⼤陸から最低1 島以上の100 島と交信する事でアワードが取得出来ます。 ⽇本からはこの「IOTA-V/UHF アワード」は、2022 年に8 名の⽅が取得されました。 IOTA に参加されている局が希望すれば、毎年1 ⽉31 ⽇締め切りによるアニュアルリスティングにコールサインとクレジット数が発表されます。
IOTA にクレジットされる島に関する規定
IOTA プログラムでクレジット対象となる島の定義は、「湖や河川ではなく外海(湾の開⼝部が5Km 以上)にある島である事」、「⼈⼯的な島ではなく⾃然の島であり、満潮時に海⾯上に存在する事」、「⼲潮時に⼤陸もしくは親となる島から200m 以上離れている事」、「Google Earth や百万分の⼀の地図等で島の存在と島名が表⽰されている事」、とされています。 この定義により、宮城県の松島湾内の島(湾の開⼝部が狭いため)や琵琶湖の⽵島(湖の島)、沖ノ⿃島(⼈⼯的な護岸により保護された島のため)、神奈川県の城ケ島(護岸⼯事により本州との距離が200m 以下になったため)、神奈川県の江ノ島、広島県の向島、⼭⼝県の⻘海島・彦島(本⼟との距離が200m 以下のため)がクレジット対象から外されました。 ⼜、IOTA 番号が1,200 を超えない様に管理されていますが、クレジット消滅がいくつか発⽣すると、逆に分割されて新しいIOTA 番号を割当てる事もあり、以下の様に新しいIOTA 番号が付与された⽇本の島もあります。 北海道沿岸の島(利尻島・礼⽂島・奥尻島など)がAS-078 から分離されAS-147 に、四国沿岸の島(⼩⾖島・瀬⼾内海の四国側の島など)がAS-076 から分離されAS-200 になりました。
ルールを知るために必要な資料
IOTA プログラムのルールを解説した「IOTA ディレクトリ」というルールブックを⼊⼿しておく事をお勧めします。IOTA アワードのルールや島のリストを掲載した英語版「IOTA ディレクトリ」2018 年版は、IOTA のウェブショップ(*1)にて17 ポンド(約2,800 円)で購⼊が可能です。 ⼜、IOTA ウェブサイト(*2)でもこの「IOTA ディレクトリ」の電⼦版を公開しており、PDF で無償ダウンロードが出来ます。 英語はちょっと苦⼿と思われる⽅は、英語版「IOTA ディレクトリ」を分かり易く⽇本語に抄訳したものを、IOTA CP JA のホームページ(*3)にて無償でPDFにて提供を⾏っています。 IOTA プログラムルールは5 年毎(次回は2025 年)に⾒直しが⾏われており、⼜、アマチュア無線界の動向に合わせて若⼲のルール変更が随時⾏われています。 最近ではリモート局を⽤いた交信に関する規定が追加されました。 ⼜、クレジット対象となる島のリストも逐次改定されていますので、常に上記サイトで最新版をダウンロードして確認して下さい。
申請はどうするの︖
1945 年11 ⽉15 ⽇以降のQSL カードからIOTA の島としてカウント出来るカードを探し出して下さい。 カウントできる島は、「IOTA ディレクトリ」に記載されている島であることが条件となっています。 ⼜、2001 年以降のQSL カードには運⽤した島の名前が印刷されていることが必須ですので、注意してカードを探しましょう。 まずは、IOTA ウェブサイト(*2)にユーザー登録を⾏いましょう。 ユーザー登録を⾏うと認証コードが電⼦メールで送付されますので、その認証コードを⼊⼒し、パスワードを設定した後、IOTA ウェブサイトにログインして下さい。 トップページで⾔語を⽇本語選択すると、IOTA ウェブサイトの表⽰が⽇本語に切り替わりますので、英語が苦⼿という⽅にも使いやすい様になっていますので、ご安⼼下さい。 多くの⽅々より、「沢⼭あるカードの中からIOTA のクレジットに使えるカードを探し出す⼿間が⾯倒で、申請に⼆の⾜を踏んでいる」とお聞きしています。 そこで、IOTA Ltd.は2016 年7 ⽉から “Club Log” 、2020 年5 ⽉から”loTW”によるログ照合の機能を追加し、照合出来たQSO が電⼦的にクレジットに追加され、これによりQSL カードを IOTA CP JA に送付する必要が無くなりました。この機能を活⽤するためには、Club Log(*4) ・LoTW(*5) でもユーザー登録が必要です。“ClubLog”・”LoTW”によるログ照合の機能を使うための⼿順についてはIOTA CP JA のホームページ(*3)に⽇本語マニュアルを⽤意していますので、ご参照ください。 これから新規に申請を考えられている⽅々は是⾮この機能を活⽤してカード探しの⼿間を省いてみて下さい。 ⼜、毎年7 ⽉最終週末に開催されるIOTA コンテストに参加し、そのコンテストログを”Cabrillo”形式でアップロードするか⼿⼊⼒することで、QSO が⼀致した分についても、同様にQSL カードの送付の必要はありません。 クレジット数が100 を超えたなら、IOTA ウェブサイトの指⽰に従って申請処理を⾏うと、申請料(⽇本円換算の⾦額)が⾃動的に計算されますので、申請料はPayPal を使って直接IOTA Ltd.へ⽀払うか、⼜は指定された送⾦⽅法でIOTA CP JA へ送⾦して下さい。QSLカードの提出がある場合は返送料を添えてIOTA CP JA 宛て郵送でお送り下さい。 申請がIOTA CP JA に通知され次第チェックを⾏います。 その後、IOTA Ltd.に申請が転送され、最終承認処理が完了した旨の電⼦メールが届けば、申請が完了します。 PDF によるIOTA アワードを申請した⽅は最終承認通知メールにPDF で添付されて届きます。 IOTA アワードはPDF 以外にも通常の紙ベースでも郵送受領出来ますが、アワード料⾦が倍額になる事にご注意下さい。 ⼜、送付されたQSL カードはチェック終了後、申請者の希望による郵送⽅法にてご返却いたします。 IOTA ウェブサイト(*2)のユーザー登録、QSO データの⼊⼒⽅法、IOTA アワードの申請⽅法に関する⼿順についても、IOTA CP JA のホームページ(*3)に⽇本語マニュアルを⽤意していますので、ご参照くださ
い。
珍しい島からのQRV 情報はこうやって知る
IOTA プログラムでは、アワード取得者の全体のクレジット率が20%以下をレアな島、20%〜30%をセミレアな島と定義しています。 このクレジット率はIOTA ウェブサイト(*2)の検索機能を使って、調べたいIOTA 番号を⼊
⼒する事で検索する事が出来ます。 では、どうやってこの様な珍しい(レア・セミレアな)島からの運⽤に関する情報を得られるでしょうか︖ 最も情報量が多いのはI1JQJ Mauro が主催する425DXN(*6)です。 オンライ
ンで情報を⾒る事も出来ますし、メーリングリストに登録すれば毎週⼟曜⽇にブリテンをメールで受信する事も可能です。 さらに、JN6RZM ⼭本さんがいろいろなIOTA ペディショナーとのチャネルにより得られた情報をご⾃⾝のブ
ログ(*7)にも掲載されていますので、参考にされてはどうでしょうか︖ 毎年7 ⽉最終週末に開催されるIOTA コンテストに参加予定のIOTA 運⽤局の情報は、NG3K Bill のコンテストサイト(*8)で確認出来ます。IOTA 運⽤を⾏った時のQSL カードに必要なこと通常のQSL カードに必要とされるQSO データの他に、IOTA 独特の必要事項があります。 それは、運⽤した島の名前とIOTA 番号が印刷されている事が必要です。 島の名前はIOTA ディレクトリの島リストに掲載されている島名のいずれかである事が望ましいとされています。 ⼜、IOTA ロゴは改変されない限り⾃由に使っていただいて
結構です。 IOTA ロゴのデータはIOTA ウェブサイト(*2)からGIF ファイル形式でダウンロードが可能です。
質問はどこへ問い合わせればいいの︖
IOTA CP JA の中嶋宛てに電⼦メール(ja9iff at ba2.so-net.ne.jp)にてお問合せ下さい。 ⼜、各種ハムフェアの会場にてもIOTA のプロモーションのブースを開設している場合がありますので、直接ブースにお越しいただいても結構です。
以 上
【URL】
https://www.iota-world.org/ja/iota-shop.html (*1)
https://www.iota-world.org/ (*2)
https://jim0836.wixsite.com/iota (*3)
https://secure.clublog.org/ (*4)
http://www.jn6rzm.cocolog-nifty.com/ (*7)
http://www.ng3k.com/Misc/iota2022.html (*8)
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